2022年の総括:自転車

今年は、一年の内320日位を自転車に乗り、のべ13500kmを走り、120km登った。去年を大分上回る数字だ。平日は一時間使って25-30km、土曜日は100-140km、日曜日はのんびりと足を伸ばす、そんな感じの日常だ。

去年のまとめでは、地元の自転車クラブに入ろうと思っていると書いた。3月頃、クラブ…というほど形が整ってはいないが、地元で活動する自転車仲間のサークルに入った。毎週土曜日、10人強ほどの人が朝8時半に集まり、100km位走ってお茶をする、そんな集まり。

この人達との繋がりは、僕にとって大変意義深いものになった。老若男女、本当に様々な人がいるのがとてもよい。彼らはみんな選んで土曜の半日、もしくは一日をこの集まりで過ごしているのだ、本当に有り難いことだなとシミジミと感じる。大人になって出来る友人というのはとても貴重な関係だ。

最初は軽い話をしたりするが、段々付き合いが長くなると、その人をより知ることが出来て、出来る話の内容も深くなっていく。僕も言いたい事が出てきたり、それをどう伝えようか考えたりする。人を知っていく過程、繋がりを作る過程というのは充実感に満ちている。色々な人と、少しずつそういう関係を作っていく。

グループで乗ることで、自転車のスキルも広がった。後続の人は、前の人の背中で視界が遮られるので、前の人が状況を知らせてあげないといけない。進路変更、ブレーキ、路面の障害。車ならウィンカーやテールランプを使う所を、手信号と掛け声でやりとりする。

秋には、本格的にフォーメーションを組んで、先頭を流動的に交代していくことで、空気を切り裂く矢のように進むための練習もした。一人では到底維持できない速度で、かなりの距離をあっという間に駆け抜けるのは大きな快感を覚えた。チームが有機的に結合して、1+1が3になる瞬間。個が融けて、大きな一つになる快感。

このグループの中で写真を撮るというのが僕の役割になった。躍動感や、山を登る苦しさを表現しようとするのも楽しいし、雄大な景色や自然を切り取るのも楽しいし、みんなの表情や、お互いに対して見せる親近感が偶然にも写真に収められると、とても嬉しい。

冬には、この週一の自転車行を水彩画の素材としても使い、それを共有するようになった。人に見せるという事でモチベーションが高まるのを感じる。みんなの中に漠然とあるその日の喜びの記憶を、僕の望む形に事後に強化していく。写真や絵にはそんな力がある。

お向かいさんも自転車に乗るという事を発見し、時々一緒に出掛けたりする。その彼の友人とも仲良くなった。

ソロでは、夏には、San FranciscoからLos Angelesまで一週間掛けて940kmを走破するイベントに参加した。四日目にCOVID陽性が発覚して、残念ながらその場でリタイアとなった。大変悔しかったので、その場で来年の申込みをした。来年こそは、必ず走破する。ロードレースにも一度参加した。あっという間に後方に脱落したが面白い経験になった。もう一度参加してもうちょっと喰らいついてみたい。

週一で裏山を750m登るという苦行は一年間ずっと続けた。同じルートを繰り返していると飽きるか…と思いきや、山は季節や時間、天気によって表情が変わり、続ける事で微妙な変化に敏感に気付けるようになった。世界の解像度が上がる喜び。

来年は、僕と自転車はどうなるのだろうか。こうしたい!という目標は特にない。むしろ、出来ることはもうほとんどやっていて、これ以上何か新しいアングルを持ち込むことは出来ないように感じている。僕の身体能力は頭打ちだし、これ以上時間を使うというのも考えづらいし、半径100km圏のメジャーなルートや目的地は大体制覇した。

でも、これだけ続いたのだから、これからも続くだろうなという安心感はある。楽しみだ。

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