2021年の総括:自転車

自転車に乗り始めたのは2020年の5月の事だった。2020年は大体一週間に50kmというペースで、それだって結構な距離だと思う人が大半ではないかと思うのだが、2021年には更にハマった。4月にロードバイクを買い、6月に怪我して6週間休み、8月にはクリップレスペダルという足を自転車に固定するタイプのペダルに交換した。この辺から普通の人と自転車好きとを隔てる境界線を越えたように思う。夏には毎日一時間+週末のロングライドで一週間に240kmというペースになった。San FranciscoやSanta Cruzなど近隣の街へも遠征した。以前は車で行く距離だと思っていたところが段々自転車で行けるようになっていくのがとても楽しかった。

同僚の紹介で、峠にも目覚めた。始める前はわざわざ苦労や苦痛を何で求めるのかと思っていたが、やり始めると、空気が澄んでいて景色は美しく、木々に囲まれた山は静かで、道は適度に左に右にと曲がりくねって変化し、心を引きつける。段々と自分に力がついて高いところや急な勾配を登れるようになっていくのも僕に自信をつけるし、下り坂では車体をうまくコントロールして車並みの速度で風を切って進むのも爽快だ。そんなわけで、夏が過ぎて気温が快適になるにつれて、ベイエリアの山々は大体制覇した。どれも、標高は1000mくらい。一番高かったのはMt.Hamiltonで1300m。ここは頂上に天文台があり、下から見えるのであんなところまで登ったのかという達成感を感じられてとてもよい。ここに自宅から往復すると獲得標高は大体1700m位になる。

2021年全体としては、385時間を自転車の上で過ごし、のべ8700kmを走破した。San FranciscoからNew Yorkの往復にちょっと足りないくらいだ。そして、エベレスト7つ分の高度を登った。

自転車は本当に僕に新しい自信を付けてくれた。学校では体育は苦手だったし、スキーを除いては運動なんてできたことがなかった。そんな僕が、ゼロからスタートしてこんな地点まで辿り着くことが出来るとは。地道に努力するとちゃんと報われるんだなと云うか、筋肉は裏切らないってこれのことか。練習して逆上がりが出来るようになった時の事を思い出す。やれば何でも出来るようになるんだなという自信。

最近考えているのは、何に支えられて毎日自転車に乗っているのかという事だ。誰かが毎日運動していると聞くと必ずこの話をする。楽しい…だけではないのは間違いない。辛さや苦痛の方がむしろ大きいのではないかとさえ思う。習慣、外に出たいという気持ち、数字が改善する喜び、色々なものが渾然一体となっている気がするがよくわからない。

2022年は、仲間を増やしたいと思っている。友達と一緒にいったライドや、出先で人と会ったライドはとても楽しかった。もっとそういうのをやりたいし、また地元の自転車クラブに入ろうと思っている。

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