機関車が好きなのである

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ごっつければごっつい程良い。黒光りする巨大な鋼の塊が骨を震わす低音を唸らせ、君臨するような威圧感と存在感で列車の先頭に鎮座する、ゲームのボスキャラみたいなのが大好きである。これに比べたら車なんて軽薄で玩具のようだし、飛行機はお高くとまっていて嫌味なくらいだ。そういうわけで、EF66という 電気機関車 のプラモデルを作っているのだが、台車を組み立てていて度肝を抜かれてしまった。

今まで、車体ばかりで台車なんて正直気に留めた事もなかった。大体にして、プラットフォームより下にあるから普段は目に見えない。しかし、作っていると、目に見えないこっちが主役で車体は飾りだという事がよく分かる。今まで何となく、車のようにモーターは車体の中に納まっているんだろうと思っていたが、実際には台車にくっついている。馬鹿でかいのが、6つも。そして、博物館でみる本物はあまりに重厚で車輪以外には全く何も動きそうにないが、プラスチックの手のひらサイズで作ると、実は台車は可動部分満載の「柔らかい」機械であることもよく分かる。例えば、6輪あるから、カーブの時は中央の台車は車体の外に少し出なくてはいけない。だから、前後方向には牽引力を伝えつつ、左右方向には動けるようにする仕組みが必要だ。車体が動く時に発生する上下動や振動の吸収は言うに及ばない。そして、それを取り巻くメカの数々。ブレーキ。ギア。軸受。バネ。それらの内臓ほとんど全てがさらけ出されていて、無骨で、飾り気ない。

その昔、ガンプラを作っていて、そのあまりの技術的合理性のなさに、こんな設計をするやつが本当にいたら阿呆だと感じたのを思い出した。あんな見た目に騙されちゃ駄目だ。所詮、エンジニアリングの事なんか何も分かっちゃいないやつの空想だ。それに比べてこいつはどうだ。1000tの重さを引っ張って100km/hで走るという目的のために全てが合理的。これぞ本物のエンジニアリングだ。何というカッコ良さ。この電気機関車を設計した技術者の人達は今どこで何をしているのだろうか。この仕事についてどこかに発表は残されているのだろうか。

こちらの三連休、こういう事を考えつつ一つ一つ部品を接着して至福の時間を過ごしていたら、台車が完成してしまった。これからこのカッコ良すぎる台車達が、車体の下にしまわれて見えなくなってしまうのかと思ったら、急にやるせなく感じられ、この気持ちを書き残すことにした。

もういっそこれで完成としてしまおうかな。

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