M1A2 エイブラムス

プラモデルを作りまくっている。でも、今まで戦車は作った事がなかった。

率直に言って、戦車はダサいと思っていた。地味な目立たない色。角ばった武骨な形。バイクや飛行機の洗練された美しさとは対極にある存在だ。でも、戦車はプラモデルの一大モチーフである。作っている人も多い。一度は作らねばなるまい、そう思っていた。だから、今回、現代アメリカ陸軍の主力戦車M1A2を作る事にした。

そしたら、何ということだ。まず、戦車のプラモデルは、組み立ててから色を塗るという事を発見した。組み立てて地肌の砂漠色にざっと塗ったら、もう戦車がぬるっと眼の前に出現しているではないか。他のプラモデルではこうはいかない。プラスチックの破片に色を塗り、ところどころ接着して小さなまとまりを作り、全容が出現するのは結構後半である。初っ端から戦車が眼の前にあって、それを手で持ってアレコレするというのが、最高に盛り上がる。

戦車の模型は、寛容でもある。組み立てて一色塗ったら、そこから先は心ゆくまで汚していくだけである。色なんか、砂か土か影に見えれば何でもよいので、黒でも茶色でも灰色でも何でもあり。適当にやっていくと、何かそれっぽくなっていく。エアブラシに失敗して塗料の飛沫が掛かってしまったのだが、誤魔化すのも簡単だった。何なら、失敗したはずのところが、却っていい感じに見えたりする。

思いがけず、とても楽しかった。もっと作ろう、と心に誓った。今度は地味な砂漠色じゃなくて、もっと派手な色に塗りたいと思う。ちょっと彩度を落とした赤なんかどうか。紫色とかもいいな。

M1A2 US Army (1:35)

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